ちょっと謎なUniversal Playing Card Companyのデックカタログ

2016年もあと少しです。このブログはつい先日作ったばっかりだし、そもそもショップ自体はまだ冬眠中(仮運転って感じです)なので全然「この1年はっ!!」という思いはありません・・・。あるとしたら来年でしょうね。今年の振り返り的なものは来年におあずけです。

こんなカタログを手に入れました。Universal Playing Card Company(以下UPCC社)の1924年発行の日本向けデックカタログです。1920年から1970年までデックの生産をしていたイギリスのAlf Cookeという会社は1925年までBritish Playing Card Comapnyという名義で生産していました。Universal Playing Card Companyの名前に変わったのは1925年で、このカタログは名義を変えた時に日本が独自に作ったものなのでしょう。

んでこのカタログ、ちょっと不思議なのです。何が不思議かっていうと、USPC社のバイシクル「Nautic Back」が使われています(上写真の左ページ)。

USPC社は多くのカード会社を買収してきたので、元々USPCのものではなかったデザインがいくつかあります。タリホーは元々Andrew Doughertyのデザインでしたし、ビーもNew York Consolidatedのデザインでした。バイシクル(808)のNautic Backが生産始まったのは1919年ですが、バイシクルより前に誕生したアーミー&ネイビー(303)にもNautic Backは使われており、そしてアーミー&ネイビーの生産が始まったのは1881年でした。どういった経緯でUPCC社のカタログにNautic Backが使われているのかは謎ですが、Alf Cooke社は1920年創業なので、USPC社のほうがオリジナルでしょう。

Nauticだけではありません。バイシクルのExpert BackにそっくりのNo. 1000x。Expert Backとそっくりのデザインは多数存在していますが、これもかなりのそっくり度合いです。ちなみにNo末尾のxは「金付き加工」を意味しています。品番の末尾にxを付ける習慣はどの会社にもありました。

上に書いてあるのは「純白仕上げ・麻仕上・全部金縁」「赤裏・青裏一對、フラシ張Wケース入」「佛蘭西間型(模様二種・裏色赤・青)」。とりあえず高品質だッ!ということでしょう。

ちなみにこのカタログで確認できるバイシクルのバックデザインはExpert Back、Nautic Back、Club Backの3種類です。

このカタログ、何がすごいって「直接印刷している」こと。なのでパラフィンがページごとに挟まれていて、色移りがしないように工夫されています。エースのところがシーリング・ワックスのように立体になっていてかっこいいです。金のところは、ちゃんと金で塗られています。ページのいたるところに金粉が飛び散っていて、今時の印刷物では見られないものです。

家紋のデックもありました。今見てもかっこいいです。これが当時イギリスでも販売されていたかどうかは不明です。日本人向けにすべてブリッジサイズです。

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そんなこんなで、年末最後にいい買い物をしました。カタログ自体は損傷が激しく取扱に気を使うので、一度すべてスキャンしたほうがいいかもしれませんね・・・。ちなみにカタログには発注書が入っており、発売元はユニバーサルトランプ日本工場です。大阪市東区左官町って、今でいうどのあたりなんでしょうか?「トランプ」という言葉は既に使われていますが、横に「改良機械製花かるた」と書いてあります。

それでは皆様よいお年を!僕は今から部屋掃除をします。

おまけ:
元々USPC社デックじゃなかったカード一覧
Tally-Ho(Andrew Dougherty)
Bee(The New York Consolidated)
Blue Ribbon(Russell)
Streamline(Arrco)
Aristocrat(Russell)
Aladdin(National)

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