スペードのAを用いたデック製造年の特定法

投稿者 :和泉圭佑 on

こんにちは、和泉です。

デックの製造年を調べる方法には色々ありますが、現在はスペードのAに記載されている4桁の数字を見ることでわかります。

例えば写真下の例だと、3716という4桁の数字が載っています。これは2016年の第37週目に生産されたという意味で、つまり2016年9月上旬に作られたデックだとわかります。スペードのAさえあれば、簡単に何年ごろ作られたデックなのか判別することができます。

しかしこの表記が始まったのは2009年以降であり、それ以前のデックにはこのような4桁の数字は載っていません。

/////

そこで役に立つのがコードになります。一文字のアルファベットで、これもスペードのAに載っています。それを見れば、同様に何年ごろに生産されたものかがわかります。

コードはAからZを20年周期で使われていて、2009年までの年代が簡単に特定できるようになりました。その一覧がGene Hochmanが1976年に出版したEncyclopedia of American Playing Cards Iにて初披露となっています。その後、2000年にTom and Judy DawsonによってThe Hochman Encyclopedia of American Playing Cardsとしてまとめられています。

上記写真の左にはアルファベットが「G」とあり、右には「Z」と書かれています。

例えばコードがGとわかるだけで1904・1925・1945・1965・1985・2005年のいずれかがわかります。コードがZだと、1919・1939・1959・1979・1999年のいずれかだとわかります。あとはカードのデザインや、トランプ類税シールの税額を見てさらに絞っていきます。

コード以外に書かれている数字は内部のもので、コレクターにとっては関係ないものだそうです。年代によってアルファベットの位置や数字はころころと変わっていきますが、アルファベットは必ず「ひとつ」だけで、アルファベットが2個ある表記は今の所見つかっていません。

//////

しかしこのコード一覧表、実は若干正確ではないのでは?と著名なバイシクルコレクターであるJoseph Pierson氏が言っています。

ある日、筆者はNo.48 Motor #1を見てみたら、コードはDになっていました。コードがDということは、1942・1962・1982・2002年のいずれかだとわかります。するとこのデックは古くても1942年以降のものだと思われますが、実はMotor #1は1901~1907年にだけ販売されていたバックデザインです。

Joseph Pierson氏も似たケースとして、No.76 Tri-Tire #1のコードBを所有しています。よって氏は、実はこのコードは1904年より以前から使用されていたのではないか?という仮設を立てています。

よって、1899年以降のデックはコードを見て判別することが可能と言えます。コードがAからでなくBから始まるのも変な話なので、おそらく1898年のコードAも存在するかもしれません。

コードQは「O」と見間違えることからほとんど使われていません(なぜかTally-Hoでよくみかけます。)コードNとWがほとんど使われない理由はよくわかりません。

IとVは一度も使用されておりません。Bはほとんど使われなかったのは数字の8と見間違うからでしょうけれど、1976年と1996年に使われているのは、おそらく前の年がコードUで「次はVだ」というのが似た発音であるBと勘違いされたからなのかもしれません。

/////

コードはほとんどのアメリカ製デックに見られますが、一部Bicycleであってもコードが無く数字だけが載っている場合があります(写真下、左)。その場合はトランプ類税シールなどを見て年代を絞ります。ただ筆者はこのパターンのBicycleデックをほとんどみたことがありません。なおOEMデックはコードが無いものが多くあります。

1899年より前のデックにはコードが使用されておりません。よって年代の特定は「およそ」としか言えません。そのバックデザインの販売が開始された期間、トランプ類税シールの税額などで判別します。

またUSPC社が使い始めたこのコードは、後ほど他社ブランド・工場でも使われはじめました。なので1899年以降のデックであれば、コードを元に何年に生産されたのかある程度は判別することが可能となるでしょう。

 

参考:
The Hochman Encyclopedia of American Playing Cards(Tom and Judy Dawson、2000)
Vintage Bicycle Playing Cards for Collectors http://bicyclecards.org/



この投稿をシェアする



← 投稿順 新着順 →