【無料公開】レビュー:エンサイクロペディア・オブ・カード・スライツDVD第1巻 / Daryl's Encyclopedia of Card Sleights - Volume 1
投稿者 :和泉圭佑 on
タイトル | Daryl's Encyclopedia of Card Sleights - Volume 1 |
販売 | L&L Publishing |
年代 | 1996年 |
時間 | 約1時間半 |
ジャンル | カードマジック |
「マジシャンの中のマジシャン」(The Magician's Magician)と呼ばれたマジシャン、ダロー(Daryl)による、カードマジックの基礎技法を収録したビデオシリーズの第1巻になります。
第1巻では、カードの基本用語(Playing Card Terms)からはじめ、カット(Cut)やジョグ(Jog)、ステップ(Step)、ブレイク(Break)といった基礎基本を紹介しています。カードの持ち方など細かいところが要点をおさえて紹介されているので、しっかりと基礎基本を見直すのにもってこいの1本です。
内容
Introduction Technical Terms The Glide The Break What To Do With A Break The Step The Jog |
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タイトルの通り「カード・テクニックの百科事典」(Encyclopedia of Card Sleights)ですので、マジックの手順解説はありません。「ここを持って、これをこうする」といった様子が1時間ほど続きます。上記の目次通り、かなりの量が解説されているので解説パートはあっさりしており、「あとは実際にやってみて」といった感じになっています。
ダローの解説はとてもわかりやすく、またDVDなので何度も繰り返し再生ができるので理解にはまったく問題ありません。最後におさらいパート(Superpractice)がありますので、改めて別角度で学び直すこともできます。講師としてだけでなく演者としても素晴らしいダローですので、淡々と技法が解説されていきますがそこまで退屈には感じないと思います。
一見するとかなり初心者向けのように感じるかもしれませんが、アードネス・ブレイク(Erdnase Break)といったひねりの利いた技法やジョグの使い方をひとつひとつ見せてくれたりと、かなりのカード好きの人でも学べる内容になっています。
なによりカードの技法をダローから学べるという時点でその内容の質は保証されています。1982年FISMローザンヌ大会カード部門1位に輝いたダローのテクニックは非常に鮮やかです。そういう意味でもマジック始めたての方にオススメできる貴重なDVDです。技法の細かいところの理解や練度を上げるためには、やはりダローのような一級のマジシャンから学ぶのが最適でしょう。
注意すべきは、これはカードの技法を収録した教材なのでマジックの手順を学びたい人向けではありません。グライド(Glide)のところなど少しマジックのように見えたりはしますが、やはり手順を覚えたいのであれば別の教材が良いでしょう。これは百科事典ですので、百科事典として考えれば満点です。
人によっては冒頭に20分ほどある導入(Introduction)も長ったらしいと感じるかもしれません。海外で「高い」とレビューしている方がいますが、ダローから技法が学べるだけでなく何度も見直すことができる価値を考えれば決して高くはないでしょう。YouTubeなどのチュートリアルでもやり方を覚えることはできるでしょうけれども、せっかく学ぶのであればダローのような一級のマジシャンから学んだほうがいいかなとは思います。
国内のショップで購入できます。スクリプト・マヌーヴァより2011年に日本語版が刊行されています。2023年3月時点で税込み2,860円となっており、直販サイトで購入できます。
面白さ:★★☆☆☆ 2/5
コスパ:★★★★☆ 4/5
オススメ:★★★☆☆ 3/5
若い頃のダロー:★★★★★ 5/5